ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】



『これが、あの娘の遺書よ』

お母さんは、そらが残した大切な言葉を私に見せてくれた。

最後に【追伸】という形でこう書いてある。


=====================
お願いがあります。
さっちゃんには知らせないでください。
もしニュースか何かで知って来てくれた時は、もう一つの手紙を見せてください。
=====================


『そしてこれが、あなただけに書いた遺書。私たちも警察も見ていないの。さっちゃんが最初に見るべきだと思ったから』

哀しみが魂を揺るがし、手も激しく震える。

散々泣いてきた人生だけど、このときの涙がもっとも息苦しかった。

手紙を読む気力もないぐらいに。

『すひ゛ません……よ゛、読んでもら゛えますか?』

『……えぇ』

もう一つの遺書を開いたお母さんは、気丈さを懸命に保とうとしながら読みはじめる。

『さっちゃんへ。ごめんね、さっちゃん。手紙を返さなくて。会いに行く約束も守らなくてごめんなさい』

『う゛う゛ん……』

『楽しそうなふりをして、嘘ばかりを書いてる自分に耐えられなくなったの。本当は助けてほしいのに、それを言ってしまうのも嫌だった』

『ぅ゛ん……』

『さっちゃんのほうが、誰も知らない土地に行って大変なんだもん。だからね、自分でちゃんと解決してからまた手紙を送ろうと思ってたんだ。そしたら笑って会える気がしたんだ。でも……ダメだった。変えられないことってあるんだね』

『そら゛……』

『今まで、親友でいてくれて本当にありがとう』

『イヤ゛……』

『よく食べ物を半分っこしたよね?あの時みたいに今度は、うちの分まで生きてください』

『ヤだよ゛……そら』

『さようなら。うちはいつでもさっちゃんのことを思っています。ガンバレ、さっちゃん』



 
< 120 / 163 >

この作品をシェア

pagetop