ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】



ネットの迷路に意思を持って進んで行けば、自殺志願サイトに辿りつく。

そこには独りで死ぬのが恐い者や、他人に幇助を依頼する者など、様々な自殺志願者がいる。

私は、近々集団自殺を計画していたあるグループに潜りこんだ。

当日、集合場所であるキャンプ場に、私を含めた6人が顔を合わせた。

それぞれ名前以外は明かさない。意味が無いからだ。

密閉度の高いテントの中に全員がギュウギュウ詰めで入り、中央に大きな練炭が置かれた。

日没の時刻を決行と定めていて、暗くよどんだ雰囲気の中、ある男が小声で、

『もうすぐだね。最後に僕と気持ちいいことしようよ』

そう話しかけてきた。

想定の範囲内。私は微笑んで、誰も来ない茂みの奥まで行き、たまりかねて迫ってきた男の股間にナイフを押しつける。

『最初からそのつもりで来たんでしょ? それとも、殺されたくて?』

男は聞いたことのない声を上げ、一目散に逃げていく。

社会的弱者をつけ狙うこういうクズはどこにでもいる。私が望む仲間には、あらかじめ排除しておくべき人間。

だから、土壇場になって逃げだしたもうひとりの男にも興味はない。

最終的に4人となり、いよいよその時がきた。

『火をつけます。皆さん、いいですね?』

『はい』『…………』『……はい』

すべて頭の中で計算して導き出した時間を携帯にセットする。気を失うデッドラインだ。

ギリギリでなければならない。一度死ぬことに意味があるのだから。

3人は、静かに横たわった。

私は目を閉じ、呼吸を乱さないよう集中する。

意識が朦朧としはじめても、己を信じ、タイマーが鳴るのをじっと待つ。

そして……。

——ピピピッ、ピピピッ。



 
< 128 / 163 >

この作品をシェア

pagetop