ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】




『ぁ⁈』

一瞬外した視線を戻すと、カノジョは跡形もなく消失している。

『消えた……』『……消えた』

『磨理子さん……』

儀式が成功したのか否かはすぐに判明した。

その日から、全国各地で謎の連続不審死事件が発生したのだ。

絶対的な神の復活に、皆が歓喜した。喜んでいないのは、狭い密室に閉じこめられている大橋敬太だけ。

スタートラインに立つための準備はこれで整った。

我々が世界に向けて飛び立つ時が来たのだ。

再度帯を締め直すため、組織図を明確にしておく必要があった。

我々の崇めるべき復讐の教祖は伊達磨理子。

その下に、復讐の女神として私が入る。騎士団の全指揮を司る重要な役職だ。

そして、

『あなたが団長よ。同時に、大貫幸恵の名を授けるわ』

初期からの仲間である彼女に騎士団の統率を任せた。

『光栄です。どこまでもあなたについていきます!』

これにて、最終的な目標である「新世界の創設」を目指し、皆が同じ未来を向いた。

やはり、最初は私の復讐で幕を上げたい。

そのために大貫幸恵の名でSNSを立ち上げ、最後の選択権を与える。

3年1組全員に交友申請を送り、承認した者のみを対象者とした。

それこそが、当時の悪意を忘れている証だから。

まるで復讐を後押ししているかのように、ある日1通のダイレクトメッセ―ジが届く。

水嶋辰巳から、同窓会への招待状だった。

【元気にしていますか?誘うべきか迷ったけど、クラスの一人でも多くが来てくれることを幹事として願っています。】

記憶の彼方にしまっていた淡い初恋がはらりと甦って、素直に喜ぶ。

しかし、

【もうすぐ帰国するんだろ?会いたいから、絶対に来て!】

宝泉彩矢香へのメッセージに比べるとまるで重みが違っていて、すぐさま我に返った。

水嶋辰巳。彼も対象者なのだと。

要するに、幾重にも交錯する複雑な心情だった。




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