ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】
この激烈な哀しみに寄り添ってくれる人がいた。
彼に抱きしめられていると、私の秘密さえ暴露してしまいそうになる。
それができたらどんなに楽だろう。すべてを投げうって、彼とふたりで生きていくのも悪くないと思った。
しかし、私はすでに6つもの命を死へ導いている隠れた罪がある。大切な仲間もいる。
そんなことできるわけがない。
せめて、あと1人。アイツを殺したら終わらせよう。
父と上村くん、そして、懸命に励ましてくれる水嶋辰巳は助けたい。
改めてこの決意を家に持ち帰った時、思わぬ刺客が現れた。
『サヤとふたりで話したいんや。ええやろ?』
玄一郎太。同窓会があった日から、私のことをハイエナのような目で見ている男だ。
水嶋くんを蚊帳の外にすると、彼はたった一言で、封印した過去まで引きずり下ろす。
『お前の復讐心を褒めたるわ。そやろ、大貫幸恵』
『な⁉ 何言ってんの⁈』
さも宝泉彩矢香の裏の顔を見せながら、いやらしく髪を触る手を弾き飛ばす。
が、その腕を掴んで言う。
『やっと尻尾を掴んだ!』
人間とは思えない、不気味な笑みを浮かべながら。
『離して。叫ぶわよ!』
『おーぉ、ええで! 警察でも呼ぶか? ほなら、オレはホンマのことを言うだけや。困るのはお前やぞ?』
『くっ……』
『答えてみぃ。なんで大貫の実家の住所知っとったんか』
『……が、学校に侵入して住所録を見たから』
『フッ、それはタツミから聞いとる。でもオレは見てたで! お前は学校の門をスルーした』
『っ⁉』
『自殺は偽装。死んだのはおそらくサヤ。その日から、お前が宝泉彩矢香になった。どや?』
『…………』