ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】



伊達磨理子の呪いが再び猛威を振るうようになったが、事件の続報が世に出ない傾向があった。

警察が意図的に、報道各所へストップをかけていたのだ。

他とは違い、現場にメッセージを残していた我々は、何度か茶の間に顔を出せた。

がしかし、ついに警察は伊達磨理子が絡んでいると断定し、常套手段を発動。

これでは活動の意味を成さない。

次なる一手が、空港での大騒動。大きな賭けだった。

結果、ワイドショーはお祭り騒ぎ。

予想を上回る効果があり、全国にいるいじめの被害者たちや加害者までもが反応を示した。

玄も始末できたし、さすがに自殺を試みるとは思いもしなかったが、狙い通りの方向へと進んでいる。

ただ、入院することになった父については、手遅れでないことを願うばかりで気が気でなかった。

それでも仲間に指示して主治医に金を掴ませるのだから、自分の人格が完全に方向を見失っている、いわば迷子。

その時は、上村くんを救うことが行き先につながると思っていた。

しかし、彼だけはどこか他人事。

私が必死に訴えても、終わらせる方法を受け入れようとしてくれない。

『いい加減にしてよ! 鏡を使えば助かるんだってば!』

『…………』

どうしてそこまで頑なに貫くのか知りたくて、ふたりっきりになってから問いつめた。

『待って、ねえ! なんで諦めようとするの⁈ 来年の駅伝、最後の箱根で走りたくないの⁈』

『……もう疲れたんだ。駅伝なんか、本当は好きじゃない』

『え⁈』

『走ってると苦しいんだよ。何度も足を止めたいって思う。でもその度に大貫の顔が浮かんでさ、あいつのほうがよっぽど苦しかっただろうなって踏ん張るんだ』

『ッ゛……』

『最近になって気付いたよ。俺はあいつのことが好きだったんだって』

今の自分の顔は嫌いだ。でも、顔を変えたことを悔やんだのは初めてだった。

言いたい。彼に、本当のことを……。



 
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