再会した幼なじみは黒王子? ~夢見がち女子は振り回されています!~
幸せでいとおしい時間が永遠に続くのではないかと思っていたとき、彼の動きが止まった。
顔が見える位置までゆっくり戻ってきた航くんは、とろとろに溶けそうなくらいの気持ちよさで、乱れてしまった息を整える私の頬に唇を落とす。
唇が離れたときに見せた彼の切ない表情に心臓が音をたてたとき、彼は私の耳元で吐息混じりの甘い声で囁いた。
「紗菜。悪い、なんか余裕ない」
「え?」
「……紗菜をもっと感じたい。いい?」
「……あっ、あの」
「加減わからないから、つらかったら言って」
今日はきっと肌を合わせるだけだろうと思っていたから、最後まで進む心の準備が完全にはできていない。
でも、航くんから感じる熱は熱くて、一気に私の気持ちも高まった。
航くんの動作にぎこちなさを感じ、改めて彼の言っていたことは真実なのだと思っていたとき、彼が戻ってくる。
そしてもう一度「いい?」と確認した後、私が小さく頷くと、ゆっくりと探るように彼の熱が入ってきた。
私も数年ぶりで慣れないその感覚に声をあげてしまうと、彼は余裕のなさそうな表情を浮かべながらも私を落ち着かせるように頭を撫で、やさしくキスを落とし、安心させてくれる。
やがて航くんの動きが止まり、彼の熱をいっぱいに感じながらそっと目を開けると、彼は切なさを含む表情で私を見つめていた。
私の目尻の涙を拭ってくれながら、窺うように問いかけられる。
「……大丈夫か?」
「……うん」
「ん、まだいける?」
「あっ、ちょっ、だめっ……」
航くんの動きに反応してしまうと、彼はおかしそうに笑みをこぼした。
わかってやっている気がして、悔しい。
「やだ、もうっ。……でも、よかったね」
「何だったんだろうな……まったく」
思わず笑い合い、触れるだけのキスをする。
こんなにあっさりできてしまうなんて、さっきまでのシリアスさが完全に消えてしまった。
でも、すごく嬉しい。
航くんは時間をかけてたくさん愛してくれているし、お互いの気持ちがそうさせたんだと思う。
「愛の力かなぁ」
「そうかもな。どこかでずっと、紗菜のことを求めてたのかも」
「もしそうなら、ロマンチックだね。嬉しいな。……んっ」
航くんの小さな動きにも反応してしまって、思わず彼の腕にしがみついてしまう。
「……動いていい?」
「……うん」
優しいキスも、優しく触れる肌も、時おり私を翻弄するような意地悪な動きも、全てがいとおしい。
全身で航くんのことを感じることができて、何よりも彼の心の中を知ることができて、すごく幸せだと思った。