再会した幼なじみは黒王子? ~夢見がち女子は振り回されています!~
*
目が覚める。
寝ぼけ眼のまま部屋に視線を巡らせると、淡い灯りに照らされたクローゼットらしき木の扉が目に映った。
見覚えのない光景に寝る前の記憶を辿ろうとしたとき、身体に何か乗っていることに気づく。
重さから逃れようと寝返りをすると、航くんの顔のドアップが目に映った。
「ひゃっ!」
「寝坊助、紗菜。やっと起きたか。おはよ」
「あっ、おはよう……」
驚いた私に対して、航くんはいつもの様子で私を見ている。
私に乗っていたのは航くんの腕だったらしい。
驚いたせいで一気に頭が覚め、すぐに昨日のことを思い出した。
初お泊まり、しちゃったんだなぁ……。
昨日は航くんとたくさん抱き合ってキスをして、ふたりで心地よく眠りについた。
身体はだるいけれどそれがまた心地よくて、このまままた眠りに落ちそうになる。
彼も特に話そうとはせず、私の髪を流すように頭を撫でながらこの時間をまどろんでいるようだ。
ふと航くんに触れたくなって、照れ臭さを感じつつ私はねだる。
「ねぇ、航くん。手、貸して」
「ん、何?」
目の前に現れた手に、自分の手を合わせたり指を絡めたりして、彼のぬくもりを確かめる。
「おっきいね」
「紗菜が小さいんだろ」
「そうかなぁ」
イタズラ心で彼の指にキスを落とすと、航くんは息をついた。
「煽ってるのか?」
「ううん。この手が私を抱きしめてくれるんだなぁ、大好きだなぁって思ったの」
「それを煽ってるっていうんだよ。まだし足りないのか?」
「違うもん。航くんのエッチ」
「どっちがだよ」
「うーん、仕方ないからどっちもってことにしてあげるね」
「なんだそれ」
呆れる航くんに身体を寄せて、腰から背中に腕を回して抱きつく。
すると航くんも私の額に唇を落として、抱きしめてくれた。