再会した幼なじみは黒王子? ~夢見がち女子は振り回されています!~
 
「コウの意見を参考にしてこんな感じで考えてみたんだけど、どうかな」


ふたりは会話を始め、私に隠す様子もなかったので翼くんが差し出した紙を私も覗いてみると、そこには家の設計図が書いてあった。

もしかして翼くんも航くんと同じような仕事をしているのだろうか。


「うん、この前よりはだいぶよくなったな。でも、寝室は考え直したほうがいいんじゃないか? 豪華にしたいのかもしれないけど、さすがにうるさすぎるだろ」

「そうかな」

「好みもあるからやめろとは言わないけど、ずっと住むんだから飽きがこないように考えないと。費用の面も考えたら、俺はもっと他のところに使うほうがいいと思うけど」

「なるほど」


話を聞いていると子ども部屋もあるようで、どうやら家族が住むための家の設計図のようだった。

えらそうなことは言えないけれど、全体的にまだまとまりが感じられない。

あと少しといったところだろうか。

航くんが次々と出す意見に、翼くんは頷いたり意見を返したりする。

そんなふたりはすごく楽しそうで、聞いているだけの私も楽しい気分になった。

航くんが仕事をしているときもこんな感じなのかなと思っていると、話は終わったらしく翼くんの視線が私を向いた。


「ごめんね、紗菜ちゃん。暇だったよね」

「ううん、私も楽しませてもらってたから大丈夫だよ。これってお仕事?」

「違うよ。今度家を建てることにしたから設計を自分でやってるんだ。全然知識がないから、コウの力を借りてさ」

「そうなの? 家建てるなんてすごいね!」


自分が住む家を自分で設計できたら素敵だと空想はしても、実際に行動するのは簡単なことではない。

翼くんの行動力は相当なもので、覚悟のいることだ。

航くんがよく「想いを現実にしたい」と言うけれど、ふたりは考え方が同じなのかもしれない。
 
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