鉄仮面女史の微笑みと涙
忙しくデスクワークをこなしているとお昼を過ぎて、外出してる人達もいて、気付いたら相川課長と2人になっていた
一昨日、進藤課長に迷惑かけたことを謝れてなかったので、相川課長に声をかけた
「あの、相川課長。今いいですか?」
「あ、ちょっと待ってくれる?もうすぐ来ると思うから」
え?と思って首を傾げていると、進藤課長が部屋に入ってきた
進藤課長は私の顔を見るなり泣きそうな顔をした
「進藤課長?どうしてここに?」
「俺が呼んだんだ。奈南美も加納課長と話したいって、言ってたし」
「そうですか……」
相川課長は進藤課長を私の隣の席の神崎課長の席に座らせて、自分は進藤課長の側に寄り添った
「あの、進藤課長。先日は私達夫婦のことに巻き込んでしまってすいませんでした。それに、皆川部長にすぐ伝えてくれてありがとうございました。おかげで助かりました」
進藤課長は首を振って、私の手をギュッと握った
「こんなに後悔するんなら、あの時引きずってでも加納課長を会社に帰らせればよかった。ごめんね」
「いえ、あの時の夫は正気じゃなかったです。もし進藤課長が意地でも私を助けようとしてたら、進藤課長が危険な目にあってたかもしれません」
私はにっこり笑って言った
「良かったです。進藤課長と赤ちゃんが無事で」
すると進藤課長は泣きそうな顔で笑って、相川課長も同じような顔をしていた
「何言ってんのよ、人の心配してる場合じゃないでしょ」
「加納課長、ありがとう。奈南美とお腹の子供達を守ってくれて」
「子供達……?」
「俺達の子供、双子なんだ」
私がびっくりしていると、相川課長がにっこり笑った
でも進藤課長はまだ申し訳なさそうな顔をしていた
「あの、進藤課長?お願いがあるんですけど」
「お願い?」
「はい、あの……赤ちゃんが産まれたら、抱っこさせてもらっていいですか?」
「え?」
「相川課長と進藤課長の赤ちゃんなら可愛い赤ちゃんだろうなって思って。あの、だから、そんな顔しないで下さい。赤ちゃんもママのこと心配してますよ?きっと」
「加納課長……」
「あの、すいません。変なこと言って……やっぱり迷惑ですよね……」
私が俯いていると、相川課長が私の肩に手をポンと置いて言った
「そんなことないよ。むしろそうして欲しい。子供達に加納課長が守ってくれたこと教えたいから。ね?奈南美」
「うん、もちろん。この子達抱っこしてあげて?加納課長」
「はい。ありがとうございます」
すると、進藤課長がおもむろに私の髪の毛を見て言った
「加納課長、なんか毛先がバラバラだけどどうしたの?今までまとめてたから気付かなかったけど……」
「ああ、これやっぱり分かりますか?ここ数年は自分で切ってたのでどうしても毛先がバラバラになっちゃうんです」
「は?自分で?どういうこと?」
驚いている2人に、夫からもらっていた生活費が毎月5万円だったこと
ほとんど食費に消えていったのであまり自分で自由にできるお金がなかったことを説明した
「だから、このスーツも随分前に買ったものなので袖口が擦り切れてて……取引先に行く時はもうちょっとましなの着るんですけど……」
2人を見てみると唖然としているようだったが進藤課長が気を取り直して聞いてきた
「つかぬことを聞くけど、化粧品とかどうしてたの?」
「それは、100円ショップで……」
「100円ショップ?!」
「あ、でもこれからは余裕があるので色々揃えようかと……」
「まあ、今の100円ショップは侮れないとこあるけど……」
進藤課長が頭を抱えていると私のスマホが鳴った
見てみると柳沢先生だった
「はい、加納です」
『今、会社か?』
「はい、そうですけど」
『今からそっち行く。それと他に誰かいるか?』
「はい、いらっしゃいます」
『その人に居てもらっててくれ。じゃ、後で』
それだけ言うと柳沢先生は電話を切ってしまった
私が首を傾げていると、進藤課長がどうしたの?と聞いてきたので、柳沢先生に言われたことを説明した
3人で何だろうね?と言いながら柳沢先生を待っていた
その間何故か進藤課長は私の服のサイズを聞いてきたけど……
一昨日、進藤課長に迷惑かけたことを謝れてなかったので、相川課長に声をかけた
「あの、相川課長。今いいですか?」
「あ、ちょっと待ってくれる?もうすぐ来ると思うから」
え?と思って首を傾げていると、進藤課長が部屋に入ってきた
進藤課長は私の顔を見るなり泣きそうな顔をした
「進藤課長?どうしてここに?」
「俺が呼んだんだ。奈南美も加納課長と話したいって、言ってたし」
「そうですか……」
相川課長は進藤課長を私の隣の席の神崎課長の席に座らせて、自分は進藤課長の側に寄り添った
「あの、進藤課長。先日は私達夫婦のことに巻き込んでしまってすいませんでした。それに、皆川部長にすぐ伝えてくれてありがとうございました。おかげで助かりました」
進藤課長は首を振って、私の手をギュッと握った
「こんなに後悔するんなら、あの時引きずってでも加納課長を会社に帰らせればよかった。ごめんね」
「いえ、あの時の夫は正気じゃなかったです。もし進藤課長が意地でも私を助けようとしてたら、進藤課長が危険な目にあってたかもしれません」
私はにっこり笑って言った
「良かったです。進藤課長と赤ちゃんが無事で」
すると進藤課長は泣きそうな顔で笑って、相川課長も同じような顔をしていた
「何言ってんのよ、人の心配してる場合じゃないでしょ」
「加納課長、ありがとう。奈南美とお腹の子供達を守ってくれて」
「子供達……?」
「俺達の子供、双子なんだ」
私がびっくりしていると、相川課長がにっこり笑った
でも進藤課長はまだ申し訳なさそうな顔をしていた
「あの、進藤課長?お願いがあるんですけど」
「お願い?」
「はい、あの……赤ちゃんが産まれたら、抱っこさせてもらっていいですか?」
「え?」
「相川課長と進藤課長の赤ちゃんなら可愛い赤ちゃんだろうなって思って。あの、だから、そんな顔しないで下さい。赤ちゃんもママのこと心配してますよ?きっと」
「加納課長……」
「あの、すいません。変なこと言って……やっぱり迷惑ですよね……」
私が俯いていると、相川課長が私の肩に手をポンと置いて言った
「そんなことないよ。むしろそうして欲しい。子供達に加納課長が守ってくれたこと教えたいから。ね?奈南美」
「うん、もちろん。この子達抱っこしてあげて?加納課長」
「はい。ありがとうございます」
すると、進藤課長がおもむろに私の髪の毛を見て言った
「加納課長、なんか毛先がバラバラだけどどうしたの?今までまとめてたから気付かなかったけど……」
「ああ、これやっぱり分かりますか?ここ数年は自分で切ってたのでどうしても毛先がバラバラになっちゃうんです」
「は?自分で?どういうこと?」
驚いている2人に、夫からもらっていた生活費が毎月5万円だったこと
ほとんど食費に消えていったのであまり自分で自由にできるお金がなかったことを説明した
「だから、このスーツも随分前に買ったものなので袖口が擦り切れてて……取引先に行く時はもうちょっとましなの着るんですけど……」
2人を見てみると唖然としているようだったが進藤課長が気を取り直して聞いてきた
「つかぬことを聞くけど、化粧品とかどうしてたの?」
「それは、100円ショップで……」
「100円ショップ?!」
「あ、でもこれからは余裕があるので色々揃えようかと……」
「まあ、今の100円ショップは侮れないとこあるけど……」
進藤課長が頭を抱えていると私のスマホが鳴った
見てみると柳沢先生だった
「はい、加納です」
『今、会社か?』
「はい、そうですけど」
『今からそっち行く。それと他に誰かいるか?』
「はい、いらっしゃいます」
『その人に居てもらっててくれ。じゃ、後で』
それだけ言うと柳沢先生は電話を切ってしまった
私が首を傾げていると、進藤課長がどうしたの?と聞いてきたので、柳沢先生に言われたことを説明した
3人で何だろうね?と言いながら柳沢先生を待っていた
その間何故か進藤課長は私の服のサイズを聞いてきたけど……