鉄仮面女史の微笑みと涙
満たされた夜
先生の家に着くと、客室に案内された


「この部屋使って。そこのクローゼットも自由に使ってもらっていいから」
「はい、ありがとうございます」
「俺リビングいるから」
「分かりました」


先生は優しく私の頭を撫でると、部屋を出て行った
急いで荷造りしたのでまだスーツのままだった
普段着に着替えてから持ってきた服を取り出すと、クローゼットに直してリビングに向かう
すると先生は、お酒を飲んでいた
先生に声をかけながら隣に座る


「珍しく強いお酒飲んでますね」


先生はグラスのお酒をグイッと飲んでテーブルに置いた


「なんか無性に飲みたくてな。海青は?ワインでも飲むか?」
「いえ、お店で飲んだので」
「そうだった。だから迎えに行ったんだった」


フッと笑う先生に私も小さく笑う
先生は私の方を見て、優しく抱き寄せた


「笑い事じゃないだろ?あんまり飲み過ぎるなって言ったのに。だから見ず知らずの男に告白されるんだろ」
「だって、告白されるなんて思ってないですもん」
「頼むから、俺以外と飲む時は程々にしてくれ」
「善処します」


ふふっと笑うと、先生の手が私の頰を包んで、顔を上に上げられた
目が合うと、先生の顔が近づいてくる
自然と目を閉じる


先生のキスは、とても優しいキスだった



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