鉄仮面女史の微笑みと涙
お風呂から上がると、透吾はリビングでテレビを見ていた
「お風呂お先しました」
「ん?ああ」
透吾の隣に座ると、まじまじと見られて、どうしたのだろうと透吾を見た
「どうかしました?なんか変ですか?私」
「いや、風呂上がりの海青も色っぽいなと思ってな」
「また、そんな事言って……」
「ははっ。じゃ俺も入ってくる。そうだ、海青」
「何ですか?」
「敬語も禁止な」
「え?」
「付き合ってんだから、俺に敬語はいらない」
「はい。あ、うん。頑張る」
「その調子。あと、俺が風呂から上がるまでに客室に行っててくれるか?」
何でだろうと首を傾げると、透吾がちょっと困ったように言った
「俺が風呂から上がって海青がここにいたら、俺の寝室に海青を連れて行きたくなる。そうなったら、多分我慢出来ない。俺も男だから」
一瞬透吾の言った意味が分からなかったが、理解した瞬間、顔が熱くなって鼓動が早くなった
そして俯く私の頭を優しい手が撫でた
「だから、客室に行っててくれ」
「透吾は、透吾はそれでいいの?」
「ああ。俺は海青の嫌がる事はしたくない」
それだけ言うと、透吾はお風呂場へ行ってしまった
私は俯いたまま膝を抱えた
私は今まで元夫しか経験がない
なので、私の中で誰かに抱かれるというのは、恐怖と嫌悪感しかない
多分透吾はそれが分かってて、私に客室に行くように言ったのだろう
さっき透吾は嫌がる事はしたくないと言った
私は透吾に抱かれる事が嫌なのだろうか?
そんな事を考えていると、透吾がお風呂から出てくるおとが聞こえてきた
「お風呂お先しました」
「ん?ああ」
透吾の隣に座ると、まじまじと見られて、どうしたのだろうと透吾を見た
「どうかしました?なんか変ですか?私」
「いや、風呂上がりの海青も色っぽいなと思ってな」
「また、そんな事言って……」
「ははっ。じゃ俺も入ってくる。そうだ、海青」
「何ですか?」
「敬語も禁止な」
「え?」
「付き合ってんだから、俺に敬語はいらない」
「はい。あ、うん。頑張る」
「その調子。あと、俺が風呂から上がるまでに客室に行っててくれるか?」
何でだろうと首を傾げると、透吾がちょっと困ったように言った
「俺が風呂から上がって海青がここにいたら、俺の寝室に海青を連れて行きたくなる。そうなったら、多分我慢出来ない。俺も男だから」
一瞬透吾の言った意味が分からなかったが、理解した瞬間、顔が熱くなって鼓動が早くなった
そして俯く私の頭を優しい手が撫でた
「だから、客室に行っててくれ」
「透吾は、透吾はそれでいいの?」
「ああ。俺は海青の嫌がる事はしたくない」
それだけ言うと、透吾はお風呂場へ行ってしまった
私は俯いたまま膝を抱えた
私は今まで元夫しか経験がない
なので、私の中で誰かに抱かれるというのは、恐怖と嫌悪感しかない
多分透吾はそれが分かってて、私に客室に行くように言ったのだろう
さっき透吾は嫌がる事はしたくないと言った
私は透吾に抱かれる事が嫌なのだろうか?
そんな事を考えていると、透吾がお風呂から出てくるおとが聞こえてきた