鉄仮面女史の微笑みと涙
それから部長と私は海外事業部に戻り、先ほど社長から言われた事をみんなに報告した

皆川部長が取締役に専念するに当たって、役員室に常駐するが、海外事業部の担当役員なのは変わらない
部長の後任にアメリカ支社の木崎智也部長が転勤
そして神崎課長と相川課長は部長補佐に昇進
第1課の課長に麻生くん、第三課の課長には宮本くんが昇進
第2課の課長には韓国支社の藤川美奈さんが昇進
そして木下さんはフランス支社に転勤
それぞれの課には、新たに2人ずつ配属されることになった


「みんなびっくりしただろうが、よろしく頼む。特に高橋課長と木下は初めての海外勤務で大変だろうが君たちなら出来ると信じている。いずれ麻生と宮本も海外に行くことになるだろうからそのつもりでいてくれ。じゃ、仕事に戻って」


部長の報告が終わると、みんなそれぞれ仕事に戻った

私は早速引き継ぎ資料を作ろうと思うが、どうも進まない
考える事はただ1つ


透吾と離れ離れになってしまう……


コーヒーでも飲もうとため息をついて席を立った


「高橋課長、ちょっといいか」


私が席を立つのを見計らったように、皆川部長に声をかけられ打ち合わせ室に入った
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