鉄仮面女史の微笑みと涙
それから空港までの道すがら、透吾にさっきの両親との事は何だったのか聞いてみたが、何も答えてくれなかった
飛行機に乗ったら透吾はすぐに寝てしまったので、私も諦めて寝てしまった
家に帰り着いたのは夕方だった


「ただいま〜。ああ、やっと着いた」
「お疲れさん」
「透吾もお疲れ様。運転とお父さんの相手ありがとう。透吾の方が疲れたよね?きっと」
「そうでもないけどな」


2人で並んでソファーに座る
窓から見える夕焼けがとても綺麗だった


「晩御飯どうしよっか?」
「出前でも取ろう。ちょっとその前に、これ書いて」


そう言って透吾は一枚の紙を私の前に広げた


「え、これって……」


それは婚姻届
しかも保証人の欄には、私の父と、透吾の妹さんの松村先生、松村栞さんの名前が書かれてあった


「海青」


名前を呼ばれて透吾を見る
透吾は私の手を握った


「俺と、結婚してくれないか」

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