鉄仮面女史の微笑みと涙
「……海青?」
「ありがとう、透吾。こんなに真剣に考えてくれて。私なんか、透吾と離れ離れになって寂しいぐらいしか思ってなかった」


透吾がギュッと私を抱きしめる
多分、この人以上に私を大切に思ってくれる人はいないと思う
だったら、答えはもう出ていた


「本当に、私でいい?」
「ああ」
「まだ出会ってから1年も経ってないんだよ?」
「そう言えばそうだな」
「それでも……」
「海青」


透吾は抱きしめていた手を緩め、両手で私の頰を包んだ


「つべこべ言わずに、さっさとこれに名前書け。絶対幸せにする」


涙が溢れて視界がぼやける
私は笑って頷いた


「よろしく、お願いします」
「こちらこそ」


透吾の顔が近づいてきたので、私はそっと目を閉じた
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