鉄仮面女史の微笑みと涙
「あ、そうだ。明日、結婚指輪見に行かないか?」
「え?」


驚いて腕の中から見上げる
透吾は優しく笑っていた


「土曜日だから休みだろ?」
「そうだけど」
「イギリスに行くまで間に合うようにしてもらおう」
「うん」


そうして唇に降ってくる優しいキス
それだけじゃ足りなくて私から舌を絡める
透吾もそれに応えてくれて抱き上げられて寝室へと移動する
もうあとはお互いを求めるだけだった


私を這う優しい手、唇、痛みと共に残る赤い痕
透吾が入ってくる時の圧迫感
揺さぶられる度に上がる甘い声
達した時に全身に駆け巡る快感
奥に放たれた透吾の熱
それでも足りなくて透吾に手を伸ばす


「もっと……お願い……」
「……海青」


今日の私は何度も透吾を求めて、何度目かの絶頂の後、気を失うように寝てしまった

だからその後、透吾が私を優しく抱き締めて


「このまま時が止まればいいのにな」


と言ったなんて私は知らない
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