鉄仮面女史の微笑みと涙
その言葉に思わず吹き出し、そして笑った
透吾も笑いながら私の涙を拭う


「行ってこい。待ってるから。海青の実力見せてこい」


私は頷いて透吾に抱きついた


「しんどくなったら連絡していい?」
「ああ」
「本当に飛んできてくれる?」
「ああ。飛んで行く」
「約束ね?」
「約束する」


透吾が私の顔を両手で包み優しく見つめる


「海青は俺の自慢のカミさんだよ。だから自信持て」


そして触れるだけのキス
透吾の顔を見て私は微笑んだ


「行って来ます」


透吾も優しく微笑む


「頑張れ」


私は頷くとクルッと向きを変えて大きく息を吐いた
その背中を透吾がポンと叩く
そして私は振り返る事なく日本を後にした



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