好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「俺? 俺はむしろパッと見じゃ男か女かわからないから、声かけてくる奴とかいないから必要ないって」
「澪さん、自虐の方向が凄まじいです……」
澪だってキレーな見た目だ。中性的、という表現がついてまわるのが哀しいかな、だけど。
ふと、海雨は訊いてみた。
「……澪さん、本当に真紅のことキライなんですか?」
「急にどうしたの?」
「あたしにとって真紅は一番の親友ですから、傷付いてほしくないです。澪さんも、病院が長いあたしの勉強見てくれたり、優しくしてくれる大事な人です。……お互いの立場とかもあるみたいですから仲良くしてほしい……とまでは言いませんけど、………」
海雨の言葉が続かなくなると、澪は手を組んで前のめりに身を乗り出した。
「俺がお嬢さんに辛く当たるの、見ていてきつい?」