キミへ告げる想ひ

4,

翌日、桂碁たちはレッスンが始まる一時間前に集合した。

テストを一発で合格する―。

しかも、八人全員。
それが大変なことであることが桂碁たちにはよくわかっていた。

なぜなら、ダンスの基礎の練習のときもテストをやり、ほとんど一発合格できなかったのだから。

その一時間、桂碁たちは一人ずつやってダメなところを修正していった。
時間はあっという間に過ぎ去っていった。

「よーし、始めるよ」

水沢さんの掛け声とともに運命のテストが始まった。


そして、結果は―。

水沢さんは結果を記したボードを手に立ち上がった。
桂碁たちは、全員祈るような気持ちだった。

「端的に言う。合格者は……」


全員だ。
そう言ってほしかった。
ふと、桂碁は水沢さんのほうを見た。

「みんな、よく頑張ったよ。ホントに」
彼女は一旦言葉を切った。



「全員合格だ!」

現実が信じられなかった。

「じゃっ、条件クリアだな。
一応先に言っておくけどここから先、長くなるから寝ないようにしなね」

彼女はそう前置きして、自らの過去を語り始めた―。
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