私の物語2(仮) ~現在 社会人編~

祖父に何度も 説得しても放射線は 受けないと言われた

何の為に 抗癌剤治療を受けていたのか?

そして放射線治療を受けなかったのは何故か?

今となっては 誰にもわからない

死ぬのは怖いと嘆いていたのに 痛い思いもしたくなかったはずなのに何故だろう?

病院では 幻覚が見えるようで 白い壁に白菜があるや魚が泳いでいると言い 今は 誰々の家に遊びに来ていると言ったり ほとんど家族の事は覚えていないような状態だった

やっかいだったのが 自分で どこかに置き忘れた財布を誰かが お金を盗んだと財布がない 返せと お見舞いに行くと お金を盗みに来た奴と言うような目で 睨まれたのを忘れない

ずっと家に帰りたいと言い死んでいった

家に帰ってきたのは 死んでからの寒い吹雪の夜

祖父が 帰ってくると 家では 大忙しで 電気やストーブを付け 祖父を部屋に入れる為 部屋の片付け業者さんに準備してもらい 線香の番をしたりと 人が亡くなると 何かと忙しいんだと思った




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