長い夜の終わりにキスを




「そのクエストなんじゃが...どっちともいえんのじゃ。」
そのマスターの言葉に、和やかだった私たちの雰囲気が少し固まった。


「は?どういうことだよマスター。」

その言葉に透かさずアベル君がそう返した。__私の、そしてオルトさんの心情も粗方そんな感じだと思う。



「それがのぅ...、クエスト内容は【花を摘み、街の薬屋までそれを運ぶ】といったノーマルクエストの内容なんじゃが、如何(いかん)せんその場所に問題があってのぅ...。」


「場所?それはなんだ?つまりドラゴンとかが出る森だとかってことか?」


オルトさんがマスターに詰め寄るように早口でそう尋ねる。

「うむ...。そうなんじゃ。ドラゴンではないにしても、一般人であるアリアちゃんが行くには危険...というか難しい場所なんじゃ。」


マスターが私にクエストを頼むなんて珍しいこと、何かがあるんだろうと踏んだ私は少し突っ込んだ質問をする。

「その場所って...?」

長い沈黙のあと、マスターは私たちに一言告げた。
「......オーガストの森じゃ。」

その言葉を聞いた時、その場にいた私とオルトさん、そしてアベル君でさえも息をのんだ。





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