君だけをずっと
「大丈夫?。ひと段落したし洗面台貸してもらって洗わせてもらっておいでよ。」


咄嗟についた私の嘘に、知恵は心配してくれる。

心が痛い。

「いや、大丈夫だよ。あと少しで終わるから。
 終わってからも痛かったら、その時洗面台を貸してもらおうかな。
 だから、早くおわらせちゃお!!」


心の中に、さっきのことを封印して
再び、片付けと向き合うことにした。

本を全て本棚に入れてしまったとき
一階のほうから、

「お茶が入りましたよー!」

と声が聞こえた。

知恵と階段を下りて一階にいくと
孝太郎くんのお母さんがお茶を入れて待っててくれた。


「今日は、無理を言って本当にごめんなさいね。
 でも、本当に助かりました。」

飲んで! そう言ってお茶を手渡ししてくれた。


奥のほうからは、孝太郎くんのお父さんも出てこられた。

「ほら、お父さんもちゃんと挨拶してくださいね。みなさんとおんなじ高校に
 孝太郎も通うんですから。それに、今日の引っ越しの手伝いもたくさんしてもらって・・」

そう言われて、知恵と恐縮していたけど
孝太郎くんのお母さんの話は止まらない。


「母さん~!!もうそのくらいでいいんじゃない?」


孝太郎くんがやんわりと制した。
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