私の恋した誘拐犯【完】
振ったはいいけど、どうして私だけ帰れないのだろう…



2人が去った体育館。



さっきまでの騒がしさなど微塵もない。



「あ、あの、たくちゃん…何で私だけ…」



「さ、帰るぞ」



「…え?…え、えぇぇぇ…」



バイクの鍵をクルクルと回しながら、たくちゃんは前を歩く。



「た、たくちゃん、何ですぐ帰るのに4人で帰らなかったの…?」



「話したいことがあったからだよ、千織に」



「私に?」
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