私の恋した誘拐犯【完】
ふぅ、と深呼吸をするかのように



そして



「…買ったんだよ」



息をつくように言葉を放った。



「買った…?」



分からず聞き返した私の耳に



「お金がほしくてちーちゃんを誘拐したんだ」



そんな洋くんの呟くような声が聞こえた。



「え、え…?ご、ごめん意味が分からないよ洋くん…どういうこと…?」



再び聞き返すと、洋くんは目元を覆って続けた。
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