私の恋した誘拐犯【完】
それより、言葉の意味を理解したようでしていないような



ぼんやりとした思考回路。



「お父さんが……私を捨てたってこと…?」



浮かべた笑顔が引きつって、声が震えた。



洋くんはただ、目元を覆って頷くだけ。



「洋くんは……お金が欲しいから私を誘拐したの…?」



「…そうだよ」



大きな大きな



重くて重い鈍器で殴られたような感覚。
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