私の恋した誘拐犯【完】
「そ…なんだ」



「…だから言ったんだよ…俺を嫌いになるって」



違う



違うんだよ洋くん



もちろんショックじゃないと言えば嘘になる。



おかしくなってしまいそうなほどパニックだし、発狂さえしてしまいそう。



お父さんにとって、私はそんな存在だった。



手放してしまいたいと思われるほど出来損ないの娘だった。



自分の存在意義さえ問いたくなるような事実に、今すぐ何処かへ消えてしまいたい。
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