私の恋した誘拐犯【完】
「アンタが易々と手に入れたものは……俺がずっと…!」



見つめてきたものなのに。



「…分からないっすよね……、あなたには」



どんなに頑張って振り向かせようとしたって



「最初から手元にあるアンタには…」



どんなに忘れさせてやりたくったって



俺にはどうすることもできない。



「拓巳くんは、俺がずっと楽しんでたと思ってるみたいだけど」



と、ずっと口を結んでいたそいつが口を開いた。



ムカつくくらい穏やかな顔で俺を見ている。
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