きら★きら
「いえ、俺が言いたいのは、そんなことじゃなくて。咲楽のこと、呆れないで下さい。あいつ、確かにわがままだけど、頑張ってるし。みんながあいつを甘やかすの、あいつの踊りを見れば、きっと分かると思います」
「踊り?」
「はい。踊りです。あいつが踊ると、なんかいろんなこと許せるって言うか…」
「覚えとくよ」
 名護の言葉を遮って、秀海は歩き出した。
 秀海の中に、また一つ咲楽に対する嫌悪が増えた。
 どうしても好きになれない。
 落ち着かなくては。冷静にならなくては。
 秀海は拳を握りしめた。 
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