【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
1週間が経った放課後。
茉優の部活を待ってる間に学校内を探検していた。
保健室に向かいそうになる足を、何とか押さえつけて。
なるべく、保健室から遠いところに。
それなのに。
「…内海?」
センセーの声が聞こえて、無意識にそちらを見てしまう。
目が合う。逸らしたい、逸らせない。
「久しぶりだな、最近来ないから気になってたよ。体調はもう平気か?」
避けてたのに、変わらず優しく接してくれるから…
何だかとても胸がざわつく。
私はセンセーの白衣についたリップの痕にこんなにも心乱されて好きでいるのをやめようと思うのに、
センセーは何も無かったみたいな優しい顔で声で私に接する。
好きなのは私だけなんだって思い知らされる。
こんなむしゃくしゃした気持ちだから、私は投げやりな態度になってしまう。
「彼女さんは…お元気ですか」