また内緒の話




確かに銀髪は来那を見て来那と呼んだ





来那はキョトンとする



俺も全力で嫌な顔をする




誰だ?こいつ




「覚えてるか??お前の元カレだぞ」




と言って来那の肩に気安く手を置く



も、元カレ??




その言葉を聞いて俺は少し焦る




「誰?」








来那も覚えてない





「覚えてないってマジで?
俺のティッシュと財布だったのに」




は??





「ごめんなさい、覚えてないです」


「しらばっくれんなよ
男3人とお前1人で4Pしたことあったじゃんか」





………え?




「今隣にいるのが彼氏か?
よくこんなビッチと付き合えるよな
4Pだぜ?多分今も他の男とヤッてるよ」



銀髪は俺を見て好き勝手言って来る





来那も覚えてないだけあって



自分がしていた事実か嘘かわからないものに困惑していた




「俺がお前の処女もらったんだぜ?
覚えてないわけないだろ?」



「ごちゃごちゃうるせーな」




俺は我慢の限界だった





「あ?」



銀髪は俺を睨む



けど俺も全力で睨み返す



「来那とお前に何があったかわかんねーけど
来那に覚えられてないってことはどうしようもないやつなんだな」


「りつ、やめて、もういいよ行こ」



来那は俺の腕を引っ張るが




俺は行かない




「りつ?」





ごめん来那




こうでもしないと俺は怒りが収まらない



「お前に来那の何がわかるんだよ
来那の過去に何があったかは俺にだってわからないけど
お前みたいなやつが関わっていいような子じゃねーんだよ!」



俺は怒鳴るように銀髪に言う





「はん!もう俺は喧嘩する年でもないから言わせてもらうけど
なんでもしらばっくれる女には気をつけた方がいいぞ
お前は騙されてる」





「昔の事はいいんだ
もうお前は来那と終わった人間なら昔の事ごちゃごちゃ言うんじゃねーよ!」





「りつもういいってば」




来那はまた俺の腕を引っ張る



そして来那も銀髪を睨むようにして



「ごめん君との間に何があったかなんて覚えてないよ
今はこの人で記憶がいっぱいだから」



そう言って来那は銀髪に背中を向けて



歩き出す






俺も続いて歩くと銀髪は追ってこなかった





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