また内緒の話





「あんた、生きてたんだ」





その女の声を聞くと



来那はもっと苦しんで咳が止まらなくなる




俺は来那の背中をさすりながら



「どなたですか?」




その女に聞く






「こいつの母親だけど」










「…………!?」










来那の母親……?





来那に暴力を振るって記憶障害にさせたあの母親なのか…!?



「あんたのせいで大変だったんだよ
足を5針も縫って、ずっと歩けなかったんだ!
久しぶりに会ったけどほんと憎たらしい顔してるね」




「……やめて」




来那は頭を押さえる




「あんただけは許さないよ!
こんなのこのこと彼氏と歩きやがって
あんたも歩けなくしてあげようか?」




女は来那の足を思い切り踏む





「やめてってばぁぁー!!!!」









聞いたこともない来那の叫び声



来那は思い切り女を押し飛ばした








その瞬間







「……はあ…はあ」





ひどく息を切らせて来那は






その場で倒れた





「……来那??」





俺は見たくもない光景に少し涙目になる





……来那が…!






「ふん!いい気味だね
そうやって倒れてな」









「いい加減にしろよ!!!」





俺はその女に向かって思い切り怒鳴る










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