溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「あの!」


強めの口調になった。
これはボランティアではない。こうしている間も時給が発生している。


「テーブルクロス、頼みましたよね」

「あー、はいはい。そこにあるよ」


彼は気だるい返事をしたものの、まったく動く気配がない。


「あなたが持っていくの」

「なんで? おばさん戻るんでしょ?」


おばさんって!!
ふたつ三つしか違わないよ?

あまり怒ったりしない私だけど、今日ばかりは我慢できない。


「給料もらってるんでしょう? その時点であなたにも責任が発生するの! よく覚えておいて!」

「あらまぁ、ヒステリック?」


その学生はもうひとりと顔を見合わせクスクス笑う。

カーッと頭に血が上る。
でも、時間がない。

仕方なくテーブルクロスを自分で出して戻ろうとすると、ビシッとスーツを着こなした男の人が私の前にスッと立ちふさがり口を開く。


「彼女の言うとおりです。君たちはクビですね」

「中野さん!」
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