溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
しばらくして気持ちを落ち着けた私は、アルカンシエルの裏玄関出た。
最寄り駅へと足を進めていると……。


「おかえり」

「はっ……」


うしろから腕を引かれ、一瞬息が止まる。


「驚きすぎ」

「た、大成さん……」


私の腕を引いたのは、大成さんだった。


「遅かったね」

「あ、中野さんとお話を……」

「そっか、それじゃ聞いた?」


ハウスキーパーをすることだろう。
私はうなずいた。


「じゃあ、家に行こう」

「家って?」

「え、俺ん家」


彼は平然とした顔をしているが、一瞬、なにを言われたのか理解できない。


「あれ、聞いたんじゃないの? 今日から同棲するって」

「ど、どどどど同棲?」


そんなことはひと言も聞いてません!


「あはは、澪って初々しくてかわいいね」


大成さんの言葉に固まる。
こんなに『かわいい』を連発されたことなんてないもの。

でもあれ、やっぱり笑ってる。
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