溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
なんとか彼を納得させたところで、エレベーターが担当の十六階に着いたので、掃除のカートを押して降りる。
ここはツインとシングルのあるフロアだ。


私は仕事に気持ちを切り替え口を開く。


「まず、昨日から今日の使用状況をこの用紙でチェックします。九時現在で、フロントに鍵を返されたお客さまの部屋は赤くなっていますので、そこから始めます」


大成さんも真剣な顔で私の話に耳を傾けている。


「それから、連泊の部屋はドアノブにDo Not Disturbの表示がされていないか、もしくは上部のランプが点灯していないかきちんとチェックします」


アルカンシエルでは“起こさないでください”という意志表示を、ランプでも示すことができる。
だけど、それを知らない客も多いので、二段構えなのだ。


「わかった」

「それと、お客さまがいらっしゃったら、廊下の端に寄って頭を下げます」


丁度遠くからお客さまが歩いてくるのが見え、大成さんと一緒に端に寄る。
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