溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
えっ……そんなことに怒っていたの? 
まさか、さっきキスしようとしたのは、けん制?

キョトンとして彼の顔をじっと見ていると、プイッと顔をそむけてしまった。


「なんだよ。見るな」

「えっ?」


心なしか彼の顔が赤いんだけど、気のせい?


「そんなに見られると、照れるだろ」


気のせいじゃない?


「あっ、はい」


もしかしてこれって、独占欲っていうやつ? 
大成さん、そんなに私のこと考えてくれてるの?

私まで恥ずかしくなってしまい顔を伏せると、グイッと腰を引かれ抱きしめられてしまう。


「澪、出ていかないでくれ」

「大成さん……」

「俺、もう澪がいない生活なんて、無理」


心臓がかつてないほどドクンドクンと大きな音を立て始める。


「俺、本気で澪のこと、好きなんだ」


彼のシャツをギュッと握る。
私はただ、彼と一緒に働いて、一緒に笑っていただけ。
そんなことくらいしかできないのに。


「なぁ、澪」


切なげな声が私の鼓膜を揺らす。
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