溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「澪も俺のこと、好きになって」


大成さんにそう言われ、胸の奥がギュッと締め付けられる。

私……もう大成さんに惹かれてる。
だけど、それを口に出せないのは、やはり私と彼の立場が違いすぎるからだ。


「ごめん。また困らせてるな、俺」


私は小さく首を振る。
困ってなんかいない。ただ、これ以上彼に心を奪われたらと思うと怖い。

大成さんが私を好きになってくれたのは、政略結婚を阻止するきっかけになったからだけかもしれない。
そして、彼の心を少しだけ癒せたからかもしれない。

だけど……スイートで彼がワインをこぼさなければ、そばに近づくことすらなかった人だ。
彼の立場に相応の人が現れれば、私は用なしだろう。


「澪」


それなのに、彼に優しい声で名前を呼ばれ、つかの間の夢を見ていたいと願ってしまう。


「好き、だ」


それから吐き出された彼の言葉に、胸が張り裂けそうになった。
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