溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「俺はなんのために生きてるんだ。会社なんていらない。いらない……」


八坂さんは唇を噛みしめる。


「そんな結婚、イヤだと主張されましたか?」

「そんなことしたって無駄だ。勝手に話が進むだけだ」


たとえそうだとしても……。


「お酒におぼれている暇があったら、叫んでみたらいいじゃないですか。あらがえばいいじゃないですか」


こんなことを言っていいのかわからない。
でも、私の正直な気持ちだ。


「そんなに簡単なことじゃない。会社同士のしがらみが絡んでいる」


だから? だから、自由な人生をあきらめるの?


「八坂さまは、随分物わかりがよろしいんですね」

「なに!?」


彼は怒りの目を私に向ける。
けれど、止められない。


「だって、自分の人生ですよ? どうしたいか叫んでください」


私が言うと、彼はスクッと立ち上がり、私の肩に手を置く。


「なにもわからないくせして、でかい口を叩くな」


私より二十センチは高い大きな男に見下ろされ、少し怖い。
しかし、引き下がれない。
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