溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
それから向かい合って朝食を食べ、会社に行くために玄関に向かった。
靴を履こうとすると、大成さんが「澪」と私を呼ぶ。


「はい」


なんだろうと振り向くと、なぜか眉根を寄せている。


「これ、ちょっと短すぎる」


彼が指さしたのは、ブランピュールのシフォンのスカート。
一ノ瀬さんにもらった試作品のうちのひとつだ。


「そうですか?」


たしかに膝より少し短いけれど、ミニというわけでもない。


「誰を誘惑するつもり?」

「ゆ、誘惑なんて……」


考えたこともない。


「それじゃ、俺のこと誘ってる?」


色気たっぷりにつぶやく大成さんに、頭が真っ白になる。
やっとのことでフルフルと首を振ると、彼は私の腰を抱く。


「俺以外、見ないで」


耳元で囁かれ、体がビクッと震える。

「大成さん……」

「わかった?」


まるで子供のように諭されてしまう。
< 170 / 363 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop