溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「もう!」


そうは言いつつも『これくらい許してくれ』と言ったときの大成さんの真剣な顔が頭に浮かぶ。
そんなに私のこと、好きでいてくれるの?


「ダメだ。仕事仕事」


私は自分にカツを入れながら、スイートに向かった。


清水さんと一緒にスイートの掃除をして二十階に戻ると、あと三部屋残していったのにすっかり終わっていた。


「西條先輩、どうでしょう?」


大成さんは口角を上げる。
先輩って……。まぁ指導係だから仕方ない、か。


「八坂さん、すごい」


まだ半月の新人さんなのに、すっかり仕事をマスターしている。
こんなに呑み込みの早い人、初めてだった。

シーツもしわひとつなく仕上がっているし、浴室のタオルかけの金属部分も磨き上げられている。
これは教えてはいなかったけど、おそらく私がやっているのを見ていたんだ。


「ハンドクリーム貸して」

「あっ、はい」
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