溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
当然のようにハンドクリームを要求する彼に手渡すと「同じ匂いじゃなくちゃな」とまた恥ずかしいことをつぶやいている。


「腰がいてぇ」

「あとでマッサージしましょうか?」

「いいね。ベッドでよろしく」


ニッと笑う彼を見て、さっき抱きしめられたことを思い出してドキドキしてしまう。


「西條さん、どうかしました? 耳が赤いですけど」

「な、なんでもありません!」


あぁっ、遊ばれてる……。
だけど、常に笑顔がこぼれている大成さんを見て、私もうれしくなった。


休憩室に向かうために廊下に出ると、エレベーターホールからお客さまが歩いてくるのが見えた。

チェックインにはまだ少し早い。
角のセミスイートに連泊しているお客さまだろう。

掃除道具の入ったワゴンを横によけ、大成さんとふたりで並んで頭を下げる。
視線の先を大きな革靴と華奢なヒールが通っていく。


「あれ? 八坂?」


その声に驚いて顔を上げると、男性のほうのお客さまが足を止め大成さんに話しかけていた。
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