溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
その日も帰りにスーパーに寄って、夕飯を作ることにした。
大成さんリクエストの茶碗蒸しだ。

海外のこってりした食事に飽きたらしい彼は、よく和食を食べたがる。

昨晩仕事をしていた彼には休んでいてもらって、私がキッチンに立った。
その間、ソファでうとうとしている彼は、睡眠時間が足りていないのだろう。

けれど、テーブルに食事を並べると、彼は起きてきてイスに座った。


「いただきます」


きちんと手を合わせる大成さんは、最初に茶碗蒸しをひと口、口に運ぶ。


「うまい。やっぱり和食は心が和む」


彼が喜んでくれてよかった。
私もサバの塩焼きを口に入れると彼は箸を止め、私を見つめる。


「澪」

「はい」

「幸せだな。こういうのって」


大成さんのひと言に、なぜだか目頭が熱くなる。

母を亡くしてから、ずっと夕食はひとりだった。
だから、誰かと一緒に「おいしいね」と言いながら食べられることが、うれしくてたまらない。
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