溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
本来の仕事に本腰を入れてほしいと思い言ったのに、彼は首を振る。


「いや。今晩中には決着をつける。ごめん、遅くなるかも」

「そんなことは気にしないでください」


私は輝いている彼が好き。


「悪いな。先、寝てろよ」


私の腰を抱きあっという間に唇を重ねた彼は、慌ただしく出ていった。

大成さんを見送ってしまうと、途端に周囲の温度が下がった気がする。
火照った体が、取り残された。


『今晩中に決着をつける』ということは、重要な局面を迎えたのだろう。

なにもできない私まで緊張してきてしまい、心を落ち着けるために、一心不乱にピアノを弾いていた。


結局その晩は、彼は帰ってこなかった。連絡も入らない。
おそらくそれどころではないのだ。



この調子ではハウスキーパーのほうの仕事は休みだと思っていたのに、翌朝のミーティングが始まる寸前になって、大成さんが走り込んできた。


「はぁ、間に合った。——あっ、すみません」
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