溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
そのセリフ、反則だ。
何気ない一言だけど、彼と一緒にいられる幸せを深く感じる。


「私は平気です。大成さん、お疲れですし」

「俺が平気じゃない。いつも澪を感じていたい」


彼はそう言うと、私の額にキスを落とす。
いつもそばにいるのに……。


彼の甘い行為に照れてしまってなにも言えなくなるのは毎回のことだ。
真っ赤に染まる頬を隠したくてうつむくと、彼は耳元に唇を寄せてくる。


「お前のことが好きでたまらない」


彼の艶やかな吐息が耳にかかって、ビクッと震える。
男のくせして、色っぽさ全開だ。


「澪」


少し潤んだような瞳で真っ直ぐな視線を向ける彼は、私の顎に手をかけ顔を近づけてくる。
彼の吐息を間近で感じたとき……。


——ピンポーン。

唇が重なる寸前にチャイムが鳴り、動きが止まった。


「はぁー。また中野さんだ。見てたのか?」


ドアホンのモニターを確認して顔をしかめる大成さんは、盛大なため息をつきながら鍵を解除している。
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