溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
ふたりの会話を聞いていると、卒倒しそうになる。

うまく息が吸えなくなった私は、なにも言わずにリビングを出た。
しかしふたりの声は丸聞こえだ。


「澪? まったく、中野さんが余計なことを言うせいで、澪が怒っちまったじゃないですか」


大成さんは私の心配をしたあと、中野さんに食ってかかる。


「私のせいじゃないでしょう? デリカシーがないと女性に嫌われますよと何度も教えたじゃありませんか」

「デリカシーがないのは中野さんでしょう!」


あれ、ケンカしてる?
ふたりの言い合いにキョトンとしてしまった私は、恥ずかしさが吹っ飛んでいた。


しばらく自分の部屋で気持ちを落ち着け、再びリビングに顔を出すと、さっきとは一転、ふたりは真剣な顔つきで話をしている。


「とりあえず買収できることには間違いないですが、正式な結果待ちです」


中野さんが鋭い目をしてつぶやく。
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