溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「あの……うまくいったんですね」


仕事の話に首を突っ込むのもどうかと思ったけれど、私もちょっとだけ仲間入りしたい。
せめて成功のおめでとうは言いたい。


「はい。買収の話が進んでいたホテルの株価が暴落して、買収価格が値下がりしたところを狙った他社の横やりが入りましたが、無事にアルカンシエルの傘下に入ることで落ち着きました。あのホテル自体はとても価値がありますから、押さえておいて正解です」


中野さんは私にもわかりやすいように説明してくれる。
この前、大成さんが株価を追っていたホテルのことだろう。


「すごいお仕事をされているんですね。大成さんもそちらの仕事に戻ればいいのに」


思わず口に出た言葉に、大成さんは顔をしかめる。


「いや……。ハウスキーパー向いてるし」


ホントに素直じゃないんだから。


「とにかく、社長に早速報告します」


中野さんのひと言に、大成さんはますます不機嫌になる。
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