溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「俺の名前は出さないでください」

「どうしてです? 大成さんがいなければ、この件は……」


と言いかけた中野さんは、大成さんが首を振るのを見て、「わかりました」と解いていたネクタイを手にして立ち上がる。


「西條さん、シチューごちそうさまでした」

「いえ。お忙しそうですが、体にはお気をつけて……」

「そんなことを言ってはいけません。ほら、大成さん怒ってますよ」


中野さんに指摘されチラッと大成さんに視線を送ると、口がへの字に曲がっている。


「中野さん、いちいちうるさいです」

「それは失礼しました」


なんだかこの光景、微笑ましく思えてきた。
中野さんはクスッと笑い、小さく頭を下げ、出ていった。


「さてと、澪」


中野さんがいなくなってしまうと、大成さんは不敵な笑みを見せる。


「な、なに?」

「中野さんにまで愛想を振りまくなんて、お仕置きが必要だな」
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