溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「俺はまだ叫んでない。イヤだと、叫んでない」

「大成さん……」

「なんでバカなんだろうな。自由な人生をあきらめる一択だった。澪に出会わなければ、一生くよくよして生きていくところだったよ」


え……。
私、そんなに重要な決断を促しちゃったの?

自分のしたことにたじろいでしまう。

でも、彼の表情が明るくなったので、よかったのかな。


「澪はもう片足突っ込んだんだからな。もちろん、協力してくれるよな」


大成さんは生き生きしてきた。
目が死んでいたときよりずっといいけど、じりじりと外堀を埋められて、逃げ場がなくなった気分だ。


「き、協力というのは……」

「今は時間がない。とにかく着替えて」


大成さんは私を試着室に押し込み、出ていった。


「な、なに……」


なんだか自分の知らないところで、とんでもないことが進んでいる気がする。

だけど、私がパーティに行けば、彼は承諾していない政略結婚を阻止できるのだろうか。
とってもイヤな予感がする。
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