溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
とはいえ「こちらですね」とにこやかな笑顔を添えてドレスを持ってきてくれた担当の人に、『着ません』と言えるはずもなく、私は仕方なくドレスを纏った。


「どうしよう。着こなせない」


試着室の大きな鏡に映る自分の姿にため息が出る。

馬子にも衣装なんてよく言うが、そういうわけでもなさそうだ。
似合っているとは思えない。


「澪、まだ?」


外から大成さんの声がする。ためらいつつ、カーテンを開けた。

彼が選んでくれたシャーベットオレンジ色のドレスは、シフォンのスカートの裾がアシンメトリーになっていて、動くたびにチラチラと足が大胆に見えて、ちょっと恥ずかしい。


「すみま、せん」


私は彼がなにかを言う前に謝った。

絶対に落胆してる。
だって彼はそもそも上流階級の人なのだから、素敵な女性が周りにたくさんいるはずだ。


「どうして謝る?」

「ご期待に沿えなくて……」


私が小声で言うと、彼は肩を震わせ笑い出した。
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