溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
あれ?


「ご期待以上だ。きれいだよ、澪」


なななな、なに言ってるの?

こんなにすごい人から『きれいだよ』なんて褒め言葉をかけてもらえるなんて、もう二度とない。

社交辞令だとわかっているのに、テンションがどんどん上がっていく。


目が飛び出しそうなほど驚いて呆然としていると、彼は私に手を差し出してくる。


「ほら、こっち来て」


手を握れと?

さっきは彼が有無を言わせず私の手を引っ張ったけれど、私から握るなんて、そんな。
ハードルが高すぎて腰が引ける。


「あっ、いえっ……大成さんの手が汚れてしまいます」


さっきまで掃除をしていたのだし、こんな高貴な人の手を握るなんて無理だ。


「澪って、面白いな」

「な、なにがですか?」

「なにがって、全部?」


彼は笑いを噛み殺しながら私に近づき、手を握る。


「お嬢さま、こちらへどうぞ」

「はっ……」


お嬢さま!?
完全にキャパオーバーで、倒れそうだ。
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