溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
私が振り向くと、中野さんも首をひねって彼女を見つめる。


「さっきの話、二週間後にしましょう。私の誕生日パーティがあるの。そこでお披露目ね。選曲は任せるわ」


彼女は勝手に決めてしまう。


「私はやるとは——」

「そう。まぁ、それでもいいけど。あなたの負けよ」


それは、大成さんは自分のものだと言いたいの?


「そんなことは、大成さんが決めることです」


彼が千代子さんを選ぶのなら仕方がない。
ピアノで決めることじゃない。


「大成さんが決められるかしら? せっかくチャンスをあげたのに」


千代子さんはなぜかクスクス笑っている。


「千代子さん、あなた西條さんになにを言ったんです?」


今度は中野さんが詰め寄った。


「さあ?」


とぼける千代子さんに、中野さんは怒りをあらわにする。


「私が心からお慕いする大成さんの大切な方を傷つけるようなことがあれば、許しません」


私はその言葉を聞き、大成さんも私もとても幸せだと感じた。
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