溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「今さらなにを。私をズタズタにしたくせして」


千代子さんは声を荒らげる。
やっぱり、復讐がしたいんだ。


「わかりました。二週間後」

「西條さん!」


中野さんが返事をした私をたしなめるが、私は首を振る。
私が恥をかけばすむのなら、そんなのお安い御用だ。


「ですが、大成さんのことは譲るつもりはありません」


私はきっぱりと言った。


「はっ、それじゃ約束が違うじゃない」


千代子さんは怒気を含んだ声を私に向ける。


「私は約束などしてません。それに、もし大成さんが千代子さんを選んでも、私は大成さんを愛し続けます」


私は深く頭を下げ、今度こそ部屋をあとにした。


「西條さん、なんの約束をしたんです?」


中野さんは隣を歩きながら聞いてくる。


「大成さんを賭けてピアノの演奏で勝負しようと言われました。ですが、私は——」

「大成さんの心は、西條さんにあります」


中野さんは私の言葉を遮った。
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